木. 2月 26th, 2026

段ボールに詰まっていた、赤いバラ。

これは映画のワンシーンではない。
脚本家が書いたフィクションでも、ドラマのクライマックスでもない。
現実に、私の目の前で起きた話だ。

だけど、この出来事を語ると必ず言われる。
「え、それ映画の話じゃないの?」と。

いや、違う。
これは、“私の午後3時”の話である。


その日、私は会議を終えて自分の席に戻った。

デスクに戻って最初に目に飛び込んできたのは、見慣れないサイズの段ボール。
しかも、どこか形がいびつで、普段の事務用品の配送とは明らかに違う。

「なんだろう、何か届いたっけ?」
そう思いながらも、私は完全にスルーした。
なぜなら、仕事中の私はいつも“作業モード”。
予期せぬ荷物が届こうが、よほどのことがない限り、そのまま放置してしまうタイプだ。

私の指はカタカタとキーボードを叩き続け、目の前の仕事に集中していた。


ひと段落して、ふと横の段ボールを見た。

ひと段落した、仕事。

……ん?
やっぱりいつもと形が違う。
Amazonで何か買ったっけ?
宛名を見る。
知らない名前。でも別の意味で知っている。
いや、同姓同名の取引先?
そんな偶然ある?

不思議と少し胸がざわつく。
とはいえ、荷物は開けてみなければ始まらない。

カッターを手に取り、段ボールをそーっと開ける。
ガサガサ…カサッ……。

その瞬間だった。

真っ赤なバラの花束が目に飛び込んできた。

息が止まるかと思った。
ドラマだったらここでカメラが寄って、スローモーションになる場面である。

でも実際の私は、
「ばっ、ばっ、バラ!?赤いバラ!?え、何これ!?誰!?ちょ、ちょっと待って!!!」
と完全にフリーズした。

段ボールの中にあるのは、これでもかというほどの鮮やかな赤。
その中心にメッセージカードが添えられていた。
(愛の言葉は省略)

「昨日はごめん。これからもよろしく。」

……え、え、え?
心臓が爆走している。
秋なのに汗が止まらない。
会社なのに心拍数が異常値。


さらに追い討ちをかけるように、私の反応はあまりにも不自然すぎて、
隣の席の同僚がチラ見。

椅子がガタガタ動き、無意識に回転してしまう。
挙動不審すぎて本当にやばい。
バレてしまう。

段ボールに。
赤いバラに。
そして、私の胸の中に。


私は結局、花束を段ボールから出すことができなかった。


オフィスの真ん中で赤いバラを抱えて座る勇気なんて、私にはない。
だから箱の中からそっと見守ってもらうことにした。

でもね、
顔はもう隠せなかった。

頬は熱く、心はソワソワ、そして胸はドキドキとヒヤヒヤが入り混じっている。
「幸せ」ってこんなにも身体に表れるのかと思うほどだった。


定時後。

私は花束を抱えながら会社を出た。

画像

大きくて、鮮やかで、堂々としていて、存在感がすごい。

すれ違う人がみんな振り返る。
でも気にならなかった。

だって私は、
その赤いバラの花束を抱えている自分が、ちょっと誇らしかった。

秋の夕方の風が少し冷たい。
でも腕の中の花束は温かくて、心の中もぽかぽかしている。

歩けば歩くほど、
“赤いバラをもらった喜び”を全身でまき散らしているようだった。


この体験を通して、私は思った。

世の男性たち、もっと大胆であれ。
サプライズは、こんなにも人を動揺させ、喜ばせ、幸せにする。
その瞬間の記憶は、時間が経っても色褪せない。
むしろ、年月を重ねるほど、胸の奥で輝きを増していく。

そして何より、
「これは映画じゃない。私の話だ。」
と言い切れるほどの出来事は、
誰の人生にもきっとひとつは必要だ。

私にとって、それがこの“段ボールに入った赤いバラ”だった。

皆さんに話して、満員電車で笑いを堪える今の自分も、この大切な思い出も、最高だ!

さあ、バレンタインは男性が愛を伝える日。
夫よ、彼氏よ、準備をしよう!

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投稿者 Osozaki-mama

20代での結婚が正解と思っていた私。仕事に生き、城を築き、40歳目前で運命が動く。今は育児とキャリアの戦場で、全部手に入れると決めていきる!育児、家事、仕事に子供のお受験や大好きな旅行など、ちょっと良かった決断や失敗談まで掲載させて頂きます!

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