段ボールに詰まっていた、赤いバラ。
これは映画のワンシーンではない。
脚本家が書いたフィクションでも、ドラマのクライマックスでもない。
現実に、私の目の前で起きた話だ。
だけど、この出来事を語ると必ず言われる。
「え、それ映画の話じゃないの?」と。
いや、違う。
これは、“私の午後3時”の話である。
その日、私は会議を終えて自分の席に戻った。
デスクに戻って最初に目に飛び込んできたのは、見慣れないサイズの段ボール。
しかも、どこか形がいびつで、普段の事務用品の配送とは明らかに違う。
「なんだろう、何か届いたっけ?」
そう思いながらも、私は完全にスルーした。
なぜなら、仕事中の私はいつも“作業モード”。
予期せぬ荷物が届こうが、よほどのことがない限り、そのまま放置してしまうタイプだ。
私の指はカタカタとキーボードを叩き続け、目の前の仕事に集中していた。
ひと段落して、ふと横の段ボールを見た。
ひと段落した、仕事。
……ん?
やっぱりいつもと形が違う。
Amazonで何か買ったっけ?
宛名を見る。
知らない名前。でも別の意味で知っている。
いや、同姓同名の取引先?
そんな偶然ある?
不思議と少し胸がざわつく。
とはいえ、荷物は開けてみなければ始まらない。
カッターを手に取り、段ボールをそーっと開ける。
ガサガサ…カサッ……。
その瞬間だった。
真っ赤なバラの花束が目に飛び込んできた。
息が止まるかと思った。
ドラマだったらここでカメラが寄って、スローモーションになる場面である。
でも実際の私は、
「ばっ、ばっ、バラ!?赤いバラ!?え、何これ!?誰!?ちょ、ちょっと待って!!!」
と完全にフリーズした。
段ボールの中にあるのは、これでもかというほどの鮮やかな赤。
その中心にメッセージカードが添えられていた。
(愛の言葉は省略)
「昨日はごめん。これからもよろしく。」
……え、え、え?
心臓が爆走している。
秋なのに汗が止まらない。
会社なのに心拍数が異常値。
さらに追い討ちをかけるように、私の反応はあまりにも不自然すぎて、
隣の席の同僚がチラ見。
椅子がガタガタ動き、無意識に回転してしまう。
挙動不審すぎて本当にやばい。
バレてしまう。
段ボールに。
赤いバラに。
そして、私の胸の中に。
私は結局、花束を段ボールから出すことができなかった。
オフィスの真ん中で赤いバラを抱えて座る勇気なんて、私にはない。
だから箱の中からそっと見守ってもらうことにした。
でもね、
顔はもう隠せなかった。
頬は熱く、心はソワソワ、そして胸はドキドキとヒヤヒヤが入り混じっている。
「幸せ」ってこんなにも身体に表れるのかと思うほどだった。
定時後。
私は花束を抱えながら会社を出た。

大きくて、鮮やかで、堂々としていて、存在感がすごい。
すれ違う人がみんな振り返る。
でも気にならなかった。
だって私は、
その赤いバラの花束を抱えている自分が、ちょっと誇らしかった。
秋の夕方の風が少し冷たい。
でも腕の中の花束は温かくて、心の中もぽかぽかしている。
歩けば歩くほど、
“赤いバラをもらった喜び”を全身でまき散らしているようだった。
この体験を通して、私は思った。
世の男性たち、もっと大胆であれ。
サプライズは、こんなにも人を動揺させ、喜ばせ、幸せにする。
その瞬間の記憶は、時間が経っても色褪せない。
むしろ、年月を重ねるほど、胸の奥で輝きを増していく。
そして何より、
「これは映画じゃない。私の話だ。」
と言い切れるほどの出来事は、
誰の人生にもきっとひとつは必要だ。
私にとって、それがこの“段ボールに入った赤いバラ”だった。
皆さんに話して、満員電車で笑いを堪える今の自分も、この大切な思い出も、最高だ!
さあ、バレンタインは男性が愛を伝える日。
夫よ、彼氏よ、準備をしよう!
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